Andante -アンダンテ-

第三章 [授業]

授業といってもただの鑑賞会だ。ただ、有名な著名作曲家の曲を聞いて、感想を書くだけだった。
他には合唱をしたりするくらいだ。
今までセイジが受けてきた、レッスンの様に実技ができる訳でもなければ、音楽の力を伸ばすトレーニングをする訳でもなかった。
(音楽の…授業…というより、所詮は総合学習の一環か。まぁ、受けるのは皆、受験生だもんな。)
授業はチャイムが鳴る前に終わった。
井原先生はピアノの椅子に座り、ため息をついた後、落ち着いた感じで譜面台の譜面をめくる。授業用のファイルの様だ。