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Nside 自分が癌で、しかも長くないことが分かって約2ヶ月。 俺は、自分を偽ってきた。 仕事が終わったら竜也よりも先に帰って、竜也と一緒に居ても作り笑顔で過ごして、検診の日も、わざと竜也の休みの日に入れた。 竜也に嫌われるために…。 自分中心的な考えがあるとこが嫌いだ、なんて嘘。 俺の前では我儘なところも、泣き虫なところも、ヤキモチ妬きなところも、嫌いなわけない。 でも、俺は竜也を守ることが出来なければ、一緒にいることも出来ない。 約束も守れない。 それに、竜也を泣かしてしまう。 「これで良かったんだ…」 竜也のことを嫌いになることは出来ない。 けど、この気持ちは竜也に言わず、死ぬときに一緒にあの世に持っていく。 俺は竜也が置いて行った指輪にチェーンをかけて、自分の首にかけた。 右の薬指に付けていた指輪は、左の中指に…。
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