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『まだ、私には、なにが向いてるとか、分からないのよ。きめろって言われても、ちょっときついよ。』と言いました。
りなのそばにお母さんがきて言いました。
『そうね。まだ15歳なんだもんね。早いなぁ、もう15年かぁ、、』
お母さんは独り言のように話し出しました。
りなが生まれたときのことを。
何度も聞いている話でした。
『りなが生まれたときはね、、、』
『りなが生まれたときはね、自分で息もうまく吸えなくって、生まれてすぐにNICUっていう赤ちゃんの集中治療室に連れて行かれたんだよ。
お母さん、心配で、心配で生きた心地がしなかったよ』
りいちゃんは、生まれたときから、重い心臓病があって、なかなかNICUから出られませんでしたが、手術を受け、元気になりました。
あのときから、15年、早いものです。
あのときのことを思えば、りなはなにになってもいい、元気でさえいてくれれば、、とお母さんは思うのでした。
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