来土(らいと)

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りなばぁのことを心配していた、ある日。 学校で授業中に急に教頭先生が教室にやってきた。 そして、僕が呼ばれた。何だ?いたずらなんてやってないぞ? 『来土君、おばあさんの具合がよくないらしいんだ、今からお母さんが迎えに来るよ』といった。 その通り、5分もしないうちにお母さんが来て、僕を車に乗せながら言った。 『りなばぁがね、死んじゃうかもしれない』 僕は、涙が出るのをこらえながら『急いでよ、もっと。大丈夫だよ』と言った。 僕が病院に着くと、親戚のおじさんやおばさんがいた。 『あぁ、らいちゃん、間に合ったね、早く、早く』と言って、僕をりなばぁの部屋に入れてくれた。 久しぶりに見るりなばぁは急にしぼんで見えた。 こんなに小さかったのかな? 『りなばぁ?』 りなばぁはもう声も出せない状態だったけど、僕の手をぎゅっと握ってくれた。 そして、そのままうごかなくなった。 『ありがと、らいちゃん』そう言っているような気がした。
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