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鈴(それにしてもやっぱりこの2人が何か企んでいるみたいなのは確かですね。この調子だともしかしたら今日1日で知りたい情報をすべて知ることができるかもしれないですね。)
鈴は最初こそ失敗したものの、今は予想以上の収穫が早く得られそうだと心の中でうれしそうにそう思っていた。
そして、また適当なところで車を停めて、
鈴(さっきの不愉快な会話はもう終わってるでしょう。)
イヤホンを再び耳にはめた。
井『…いるよ。』
良枝『そう。早くまとまれば良いのに。やっぱりあの子は要領が悪いわ。さすがあの男の子ってところね。そういうところがあの男そっくりだわ。』
井『はは…あの男の子ってお前の息子だろ。』
イヤホンから井坂の笑う声が聞こえた。
良枝『私はあの子が自分の息子だなんて思ったことはないわ。欲しくて生んだんじゃないもの。それに、私には全くなつかなかったし、全然可愛くなかったわ。まぁ、なつかれても困るけど。でも、あの男が死んだいま、この会社は絶対にあの子には渡さないわ。』
イヤホンから良枝の憎しみのこもった声が聞こえた。
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