・尾行調査 ~識Side~

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井『落ち着けよ。まぁ、今進めてるプロジェクトが終わればそのあと、そのプロジェクト成功と共に社長を追い出して俺が社長になってやるよ。』 良枝『そうね。あぁ~、早くその日が来ないかしら。ずっとその日が来るのを楽しみにしてるのよ私。』 井『あと少しの辛抱だ。おっと、俺はそろそろ戻るぞ。ちょっと居すぎたな。』 良枝『えぇ。さみしいけれど、帰りまで我慢するわ。帰りは一緒に帰りましょうね。』 井『はい。では、失礼します。』 井坂は素の口調から敬語口調に切り替えた声が聞こえると、ドアが開く音がしてまたツカツカと歩く音が聞こえてきた。 そして、 井『ハァ…ババアの相手は疲れる。でもそれもあと少しだ。あと少ししたらこの会社は俺のものだ。』 という井坂の小さな呟きが聞こえてきた。 それから井坂は秘書室へ戻ったようで仕事に関する話ばかりが聞こえてきた。 鈴はまたイヤホンを耳からはずし、メモを取り出し何かを書き始めた。
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