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そして、井坂に追いついた鈴はそれを見て、
鈴(会社の用事で出てただけみたいですね。)
鈴は会社の近くに車を停めて、そこで井坂が再び会社から出てくるのを待つことにした。
それから1時間半後。
会社の正面玄関に1台タクシーが停まった。
そして、会社の中から良枝と井坂が出てきて、2人でタクシーに乗り込んだ。
鈴はその車と少し距離をあけてついて行った。
運転中、鈴はチラチラとパソコンで井坂達の位置を確認していたが、少したってからイヤホンから小さいが2人の声が聞こえ始めた。
井『プロジェクトの大まかなものの話がまとまったらしい。あとは、オープンに向けての準備だけになったな。』
良枝『そう、やっとね。』
井『役員たちの方はうまく取り込めてるのか?』
良枝『えぇ。心配いらないわ。あの子はここ1、2年会社を留守にしがちだったから、役員が私側についたことを知らないわ。』
井『そうか。じゃあ、準備は整ってるんだな。』
良枝『そうよ。あとはプロジェクトの事がすべて決まるまで待つだけだよ。でも、話がまとまったならそのときももうすぐね。』
井『あぁ。社長の奥さんが離婚を社長に切り出した時にはヒヤヒヤしたが、逆にそれを利用させてもらったからよかったけどな。』
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