・悠と良仁

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部屋に入った悠と良仁は部屋に備え付けてある椅子に腰を下ろした。 そして、 良「リクさんは私の事は一切話してないといっていましたけど、あれは嘘だったんですね。」 良仁は悲しそうにそう言った。 悠「確かにリクさんはあなたの事を私に教えてくれました。でも、それはある条件付きでした。」 良「条件?」 悠「はい、絶対にあなたの未来が悪くなるようなことはしないという条件です。」 良「?それはどういうことですか?」 悠の言っていることがわからず首を傾げる良仁。 悠「はい。まぁ、それはこれからする話をしていく中でわかっていただけると思います。まずは挨拶からさせてもらいますね。あなたの奥様…岡村莉子さんから依頼を受けました『納得屋』店主、得屋悠と申します。申し訳ありませんが、私は職業上、情報流出を防ぐために名刺を持ち合わせてないので挨拶だけで済まさせていただきます。」 良「わかりました。それより、『納得屋』というのは?」 良仁は聞いたことのない言葉に再び首をかしげた。 悠「依頼者の方の心の中にある『納得できないこと』を納得できるように解決する仕事をしている店です。」 良「『納得できないこと』ですか。」 良仁はふと悲しそうな笑みを浮かべてそう言った。
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