・悠と良仁

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悠「そうですか。では、莉子さんと別れられないのはそのことがあるからですか?」 良「いえ、違います。あと少し…あと少しなんです。あと少ししたら莉子との離婚を承諾します。」 良仁は苦しそうにそう言った。 悠「ならばあと少し待たなければならないのはなぜですか?」 良「さっき、会長がどうしても莉子の実家の土地を欲しがっているのを話しましたよね。」 悠「えぇ。」 良「私はその事で会長と取引をしたんです。」 悠「取引ですか。」 良「はい。」 悠「それはどのような取引だったんですか?」 悠(なんとなく取引の内容が検討がつきますが、しっかり確認しないといけないですよね。) 悠は心の中でそう思いながら聞いた。 悠「どうしても答えていただけませんか?」 良「はい、内容はお話できません。この事を莉子に伝える気はないんです。」 取引の内容を悠に話す気はない良仁。 悠「…先ほど、私が話をしたいと言った事を覚えていますか?」 そんな良仁に悠が少し間を空けてそう聞いた。 良「えっ、はい。莉子の事と………会社の事でしたよね。」 いきなり話題が変わったことに驚きながら、良仁は少し間を空けて思い出したようにそう言った。
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