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悠「そうなんですか。あっ、すいません。話をずらしてしまって。」
悠は話がずれてしまった事を謝罪し、良仁に話の続きをするように言った。
良「あっ、はい。私はあの土地を買わなくても経営を回復することはできる事、あの土地を買って、もしショッピングモールの話がなくなったらどうするのかという事を訴えました。訴えたからには私もできる限りの努力をしてここ数年で経営を少しずつですが、上げていきました。」
良仁のこの話を聞いて、
悠(ここ数年、業績がすごく上がっていたのはそういうことだったんですね。)
悠は声を出すことなく心の中で納得していた。
そして、
悠「では、なぜ『取引』なんてしないといけなかったんですか?」
疑問に思った事を良仁に質問した。
良「それは……私が思っていたよりも現実は厳しいものでした。業績を上げて経営を回復させても会長はあの土地を諦める気はないに等しく、他の企業も会長と同じことを考えているのでしょう、リンゴ園への妨害は減りませんでした。」
悠「それで『取引』をすることにしたんですね。」
良「はい。」
悠「なるほど。それで今、莉子さんと別れるわけにはいかないんですね。」
良「はい。もう少しなんです。だから、莉子にはこの話をしないで下さい。」
良仁は必死な顔で悠に言った。
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