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悠「何故莉子さんにそのことを話されてないんですか?」
良「自分が莉子の事を欲しがり、自分勝手にふるまってしまった結果がこれです。これ以上莉子に苦しんで欲しくないんです。莉子の両親にも『取引』の内容は話していません。リンゴカフェのお話だけしてその事も彼女には言わないでくれと頼んでいるんです。」
悠はそれを聞いて、
悠「…何も言わない方が莉子さんを苦しめているんですけどね。」
とつぶやいた後、
良「えっ?」
悠のつぶやきが聞こえず、そう聞き返した良仁に、
悠「私は依頼者が納得できるようにすることが仕事です。莉子さんが望む結末を用意したいと思っています。」
いきなりそう言った悠。
良「莉子が『望む結末』…ですか。」
この時良仁の頭には『離婚』という文字が浮かんだ。
悠「あなた達は2人とも同じように思っているのに、それを全く言葉にしてないんですね。言葉足らずってやつですかね。」
悠は俯いてしまった良仁を見て苦笑を浮かべてそう言うと、さっきとはまた違うボイスレコーダーを取り出し、良仁の前に置いた。
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