『納得屋』

・悠と良仁

良「今のはどういう意味ですか？それにこれは？」

良仁は悠の言葉の意味となぜまたも自分の前にボイスレコーダーがおかれたのかと疑問に思った事を口にした。

悠「これを聞いてください。そうすれば、私の言った意味がわかります。」

悠はそう言って再生ボタンを押した。

それから再生が終わるまでの数分間、２人は口を開くことなくそれを聞いていた。

再生が終わると、

悠「これは莉子さんが私に依頼内容を話した時に録音したものです。…莉子さんの本当の気持ちわかっていただけましたか？」

まずは悠がそう良仁に聞いた。

良「…グス…は、い。私が…言わないでいることで…逆に…スンッ…莉子のこと…傷つけていたん…ですね。…でも、わ、私が幸せを…感じている時に…莉、莉子も…同じように幸せ…だと感じて…くれて…いたなんて！」

良仁は泣きながらとぎれとぎれにそう答えた。

悠「そうです。私は莉子さんの話を聞いて、あなたと別れたくはない。でも、もしあなたにほかに好きな人ができて、あなたに別れを切り出される前に、自分から言って別れた方が良いという思いがあるように感じたんです。」
良「………。」

流れる涙をぬぐいながら黙って悠の話を聞く良仁。