『納得屋』

・話し合い

良「…なるほど。井坂はこれをいつかはわからないけれど、役員会議でお偉い方の前で見せて、俺を社長の座から引きずりおろすつもりなんだな。」

鎌田の話を聞いて良仁は皮肉を込めてここに居ない井坂に向けてそう言った。

悠「その可能性が高いですね。まぁ、データは井坂が持っているんでしょうから何枚でも写真は焼き増しできますしね。鎌田さん、莉子さんはこの写真を見て、この人と岡村さんがすき同士だと勘違いしているんです。そう仕向けたのはこの写真を莉子さんの所へ持ってきた井坂です。」
鎌「…すいません。」

悠の言葉に鎌田が悔しそうにそう言った。

悠「鎌田さんが悪いんじゃないんですから謝らないで下さい。それより、写真を撮ってそれを莉子さんに見せて誤解をときたいんです。」
鎌「わかりました。そういう事なら一緒に写らせてもらいます。」

鎌田がそう頷く横で、『誤解』という言葉を聞いただけで、自然と肩を落としていまっている良仁。

悠「岡村さん、そんなに気を落とさないで下さい。莉子さんの本音をさっき聞いたばかりじゃないですか。ここから岡村さんと鎌田さんに頑張っていただかないと私の思っている結末を迎えることができなくなります。それをわかっていて下さいね。」

そんな良仁を見て悠はそう笑顔で言った。