・最終準備

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次の日、大学の授業を終えた2人は清美の部屋を訪ねた。 部屋の中に入ると、 清「昨日はここまで連れてきてくれてありがとう。それとごめんなさいね。2人に『帰ってから話しましょう。』って言ったのはあたしなのに寝ちゃって。つい強いお酒に手を出しちゃったのよ。あれはダメね。」 清美は申し訳なさそうにそう言った。 識「全然大丈夫ですよ。清美さんだけじゃなくて槙も車の中で寝てたんで。それに話を聞くの今日でも大丈夫ですし。」 識は『槙も』の部分を強調して言った。 槙「だから何回も謝って、これも作ってやったのにまだ文句いうのか!あっ、清美さんこれよかったらどうぞ。」 そう言って手に持っていた箱を清美に渡す槙。 清「あら、いいのにこんなのもってこなくても。」 槙「作りすぎたんでぜひもらってください。」 清「作りすぎたって何を作ったの?」 槙「シュークリームです。寝ぼけながら作ったんですけど、うまくできてると思います。」 清「ありがとう。後でゆっくりいただくわ。それにしても、識ちゃんのご機嫌をなおすのは大変で。」 槙「はい。こんな時でも容赦なくお菓子作らされますからね。」 槙は苦笑を浮かべてそう言った。
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