・最終準備

6/16
前へ
/557ページ
次へ
槙「何というかすっごい親バカなんですね。というか、やめさせられた従業員が可哀そすぎる。」 槙も呆れた様にそう言ったが、 槙・識(まるで父さんみたいだ…。) 識と同じことを心の中で思っていた。 識「先代までずっと評判がよかったってことはそれなりの信条があってやってきたんだろうけど、そんなこと関係ないって思ってるんでしょうね。」 槙「だろうな。でもそれならそこまでややこしい話じゃないな。清美さん他には何かありますか?」 槙は何を思いついたよう頷いた後、清美に聞いた。 清「今はこれだけね。もっと詳しい話を聞きたいなら今の情報を教えてくれた情報屋を紹介するけど。」 槙「えっと…今は大丈夫ですね。また何か聞きたいことが出てきたら清美さんに連絡するんでその時紹介してください。」 清「わかったわ。」 槙「じゃあ、俺たちそろそろ帰ります。バタバタしててすいません。ほら、識帰るぞ。」 何かをじーっと見ている識にそう声をかけた槙。 識「あっ、うん。」 返事をして立ち上がりながらも目線はそのままの識。 清「あら、識ちゃん気づいたのね。あれやっと手に入ったのよ。あたしが読み終わったら貸してあげるから待ってて。」 識「本当ですか!やった~!」 識が見ていたのは本棚に入れてある本。もう絶版になっていてなかなか手に入れることのできない貴重な本だった。
/557ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5772人が本棚に入れています
本棚に追加