・依頼仮受付完了

3/15
5772人が本棚に入れています
本棚に追加
/557ページ
識「出ても良いよ。あそこに車停めるから。」 槙「わかった。…んっ…ん…。」 槙は何回か咳払いをして通話のボタンを押した。 なぜ、槙が電話に出る前に咳払いをしたのかというと、今の声よりも低い声に変えるため。 槙は低く、識は高く声を変えることができる。 槙「もしもし。」 依頼人『あ、あのメールを見てお電話させていただきました。』 槙が電話に出ると、依頼人の緊張している声が聞こえてきた。 槙「お電話ありがとうございます。私『納得屋』店主の得屋悠と申します。お名前お聞きしてもよろしいですか?」 依『え、えっと…あの…。』 どういっていいのか困っている依頼人に槙は、 槙「実際に会わないと信用していただけませんよね。」 優しい声でそう言った。 依『…はい。ごめんなさい。私が依頼を申し込んだのに。』 依頼人は申し訳なさそうにそう言った。 槙「大丈夫ですよ。最初から信用していただけるとは思ってないですから。それで、信用していただくためにも直接お会いしたいのですが、何県のどのあたりに住んでいるのかということと、苗字だけ教えていただけませんか?」 槙はそう言いながら識の方に目を向けた。
/557ページ

最初のコメントを投稿しよう!