・最終準備

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識「昨日、良仁の話を聞いてて思ったんだけど、良仁と良枝って本当に仲が悪いんだね。」 槙「みたいだな。昨日、良仁と話してた時でも『母』って単語は1回も出てこなかったしな。」 メモを書き終えた2人は一息つきながら昨日の良仁との会話を思い出していた。 識「それに『会長を辞めさせる』って言った時の怒りのこもった目。あれは怖かったね。」 槙「確かに。まぁ、良仁と良枝の問題は俺たちには関係ないからな。なるようになるだろう。」 識「そうだね。というか、もし仲直りさせてくれって依頼があったとしても完璧に関係を修復させるのは難しいだろうね。」 槙「俺もそう思う。ってこら!真剣な顔して人のシュークリーム横取りしようとするな!」 槙はあと1つ残っているシュークリームに手を伸ばしてきた識に気づきそう言った。 識「チッ!今なら横取りできると思ったのに。」 槙「考えが甘い。さて、今から明日のための準備をして、忘れ物がないか念入りに確認しないといけないな。」 槙はそう言って最後のシュークリームを口に運んだ。 識「あぁ~…食べられちゃった…。」 それを見て識はがっくりと肩を落として悲しそうに呟いた。 槙「また今度作ってやるからそんなに落ち込むなよ。ほら、準備するぞ。」 空になった皿とコップを台所へ持って行きながらそう識に言った。
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