・真実

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今、流しているのは一昨日の悠と良仁の会話を録音したものをいらない部分を編集でカットしたもの。 それが流れている間、3人は一言もしゃべることなく聞いていた。 が、莉子の表情は会話が流れていくにつれてどんどん歪んいき、最後の方は涙を耐えることができず、涙を流しながら聞いていた。 そして聞き終わった後、 悠「大丈夫ですか莉子さん?」 悠が手で顔を覆って下を向いて涙を流している莉子に声をかけた。 莉「…は、はい。…すみません、グスッ…みっともない姿を…スッ…お見せして…しまって。」 莉子は必死に涙をぬぐいながら返事した。 そんな莉子の隣に移動した鈴はハンカチを莉子に差し出した。 莉「すいません…スンッ…。」 莉子は鈴からハンカチを受け取って涙をふいた。 それを見て、 悠「今のを聞いて、なぜ井坂が莉子さんの事を監視する必要があったのか。なぜ良仁さんが莉子さんとの離婚に同意してくれなかったのか。そして、良仁さんが本当は莉子さんの事をどう思っているのか。…わかっていただけましたか?」 悠がゆっくりした口調でそう聞いた。
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