・真実

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莉「はい。グスッ…ハァ・・・。私、今自分がとても情けなくて仕方ありません。今、思うと私、良仁さんに大切な事を1つも話していませんでした。なのに自分だけが被害者だと思い込んで、1人で勝手に彼を憎んで、行動して……良仁さんは私のために動いてくれていたのに。」 莉子は悔しそうに顔をゆがめて口びるをかみしめた。 悠「莉子さんが自分1人を責めるのはおかしいですよ。莉子さんと良仁さん、互いに互いの事を思いすぎてこのようになってしまったんですから。そして、今日の事をきっかけに2人でよく話し合って下さい。」 鈴「そうですよ。これだけお互いの事を思いあっているんですから。…莉子さん。」 鈴はそこで一旦言葉を切り、少し間を空けて、 鈴「莉子さんの本当の望みは『離婚』ではないですよね?」 優しい口調で莉子に聞いた。 その鈴の問いを聞いて、 莉「う…うっ…は…い。本当は…グスッ…別れたくない…です。…でも…いつか…良仁さんに…グスッ…本当に…好きな人が…ウッ…できて…私から離れて…グスッ…いくなら…自分から離れた…ウッ…ほうが良い…と…グスッ…思ったん…です。」 莉子は泣きながらとぎれとぎれに答えた。 悠・鈴(思った通りでしたね。) 莉子の答えを聞いて悠と鈴は自分たちの考えが当たっていた事に安堵した。
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