・解決

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それを聞いて、 井「あれだけの借金をあと数週間…あっ、数週間後にはまた金額があがっていそうですね。それを1人で返済できるわけがありません。それは家や家族を見捨てるということですよね。」 冷たい視線で鎌田を見ながらそう言った。 鎌「そうじゃありません!でも、良仁を…親友を裏切り続けることに限界がきたんです。」 鎌田は手は握りしめながら井坂の顔を見てきっぱりとそう言った。 井「…はぁ…人選を誤ったみたいですね。」 井坂はそう言って目の前においてある水を口に含んだ。それを見て、 良「井坂、お前の計画はすべてわかっている。今回の事、お前にはそれなりの責任をとってもらう。クビも覚悟しておけ。」 冷たい目で井坂をにらむように見ながら今まで黙っていた良仁がそう言った。 井「はっ!よく言うよ。そもそも、お前が自分の母親も嫁も操作できていないから起こったんだろ!」 井坂の口調がまた変わり、バカにしたようにそう言った。 良「会長のことについてはそう言ってもらってもかまわない。本当にその通りだからな。でも、妻に『操作』なんて言葉使って欲しくない。というよりも、今回の事は逆に『納得屋』さんに依頼をしてくれた妻に感謝の気持ちでいっぱいだ。妻が依頼をしてくれていなければ私がお前と会長のしようとしていることに気付かなかったかもしれないからな。」 良仁は口に笑みを浮かべてそう言ったが目はまったく笑っていなかった。
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