・抱擁

3/6
前へ
/557ページ
次へ
井「何がしたいか?さっきも言っただろう、OSTが欲しいと。」 良「何故ここまでして会社が欲しんだ?」 井「何故か?って…そんなの『金』が欲しいからに決まってるだろ。」 良「『金』…それだけの為に。」 井「『それだけの為に』と言われても、それはお前の中での考えで俺にとっては『それだけの為に』じゃないんだよ。」 良「…お前のしようとしていることは必ず阻止する。」 井「できるものならしてみろよ。…今日無事でいれたらの話だけどな。」 井坂がそう言ったところで、 男「うわぁ!」 男「イテッ!おいどけよ!」 『ガタガタガタッ』という音と共に男たちの声が響いた。 3人はその音を聞いて、音のする方へ顔を向けた。 顔を向けた3人の目に映ったのは、トイレの前に居た男達の約半分がトイレの中に倒れていく姿だった。 そして数分もしないうちに、倒れた男達を踏みながら莉子をお姫様だっこした鈴が出てきた。 良「莉子!」 良仁は莉子の名前を呼んだが、莉子達には聞こえていないようだった。 するとすぐに、鈴が莉子を床に降ろした。そして、床に降りた莉子はすぐにこちらへと向かって来た。 良仁はそれを見て莉子の所へと向かった。 その様子を見て、 井「何してる!そんな女の相手は数人でいいだろ!他の奴らは早くこっちの女を捕まえろ!」 井坂は男たちの方を見ながらそう言った。
/557ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5771人が本棚に入れています
本棚に追加