5771人が本棚に入れています
本棚に追加
悠「『知らない』というのは、どういう事ですか?」
井「そのままだ。俺はあの男の事は何も知らない。」
悠「名前も、何をしている人なのかも知らないんですか?」
井「あぁ。」
悠の問いに頷く井坂に、
悠(まさか、冗談ですよね。)
悠は心の中でそう思いながら、
悠「…サイトで依頼を申し込んだんですよね。そのサイトの名前はどんな名前ですか?」
そう質問した
井「サイト名…確か『なんでも引き受けます』というのだったはずだ。でも、もう調べても出てこないと思うぞ。」
悠「何故ですか?」
井「『普段はサイトから依頼を受けるなんてことはしてないが、最近暇だったから試しにサイトを作って依頼を受けてみたんだ。でも、面倒くさいからこれっきりだな。』と言ってたからな。」
悠「……じゃあ、あなたはあの男が何者なのか、全く何も知らないのに依頼をしたということですか?」
井「そうだ。」
悠「…………。」
悠は呆れを含んだ目で黙ったまま井坂を見た。
その悠の視線感じ、
井「わかってるよバカだと言いたいんだろ!そりゃバカだと思うよな、誰かもわからない、得体のしれない奴に考えてもらった計画を実行した挙句、失敗してこの様だもんな!」
井坂はガバッと顔をあげると、大きな声でそう一気に言った。
最初のコメントを投稿しよう!