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駐車場を出て数分後。
槙「そういえばどうだった?あの男について知ってる奴いたか?」
識「いや、いなかった。というより、誰が居て誰がいなかったのかわからないって言ってる人たちが紛れ込んでた男を覚えてるなんてありえないと思わない?」
槙「まぁな。あれだけ人数がいればそうなるよな。」
識の言葉に納得したように頷く槙。
識「店の方はちゃんと元通りに後片付けしてきたよ。あっ、そういえば今日はあのお店のマスターいなかったみたいだよ。」
槙「いなかった?」
識「うん、旅行に行ってるみたい。…この話聞いた人も詳しくは知らないらしんだけど、どうも井坂がマスターが留守にする日にあそこを貸して欲しいと頼んでたみたいだよ。会社の人とあまりほかの人には聞かれたくない話をしたいからって。」
槙「へぇ~、なるほどね。どうりで店をあんなにしても怒る人がいなかったわけだ。マスターがいないから好き放題だってことだったんだな。」
識「そうみたい。で、槙の方はどうなったの?井坂と鎌田の事。」
槙「…あぁ、井坂の方は……。」
槙は井坂と良仁のやりとい、自分と井坂のやりとりを簡潔に話した。
話を聞いた識は、
識「やっぱりあの男はなぞのままかぁ。…いったい何者なんだろうね?」
と難しい顔をしてそう言った。
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