『納得屋』

・全て解決

鎌「そうですか。よか………え？！今、すべて解決したと言いましたか？」

鎌田は安心したように『良かったです』と言おうとしたが、鈴が言った事をもう１度頭で復唱して、驚きそう聞き返した。

悠「はい。もう鎌田さんは請求されていたお金を払う必要はありません。それとあちらと話し合いをした結果、実際に借りていたお金も返済しなくて良いという話になりました。」
鎌「えぇ！？な、何でですか？！」

鎌田は驚きのあまり思わず立ち上がり、悠と鈴の方へ身を乗り出しそうな勢いでそう聞いた。

鈴「鎌田さん落ち着いてください。今から説明するので。」

鈴はそう言って鎌田を椅子に座らせた。
鎌田が椅子に座ったところで、

悠「先代の社長が『うちのバカ息子のせいで大変な心労をおわせてしまったと思います。本当に申し訳ありません。うちから借りたお金は返済してもらう必要はありません。慰謝料としてどうぞ受け取ってください。』とおっしゃったんです。これがその証拠の書類と先代社長から鎌田さんへの手紙です。」

悠はそう説明して、Ａ３サイズの封筒を鞄から取り出し、鎌田の前に差し出した。
鎌田はその封筒を受け取ると、すぐに中身を取り出し書類と手紙を見始めた。

約１０分後、すべてを見終えた鎌田は、

鎌「こ、こんなことって……。せ、せめて借りたお金くらいは返済を。こちらの都合で借りたお金を慰謝料にするなんてできません。」

鎌田は涙をこらえ、震える声でそう言った。