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「あ~だりぃ。なんで本物のサンタがサンタのフリしてケーキとかを売らなきゃならないんだよ…」
「仕方ないじゃない!!いつも財政難なんだから!!こんな風にモノ売ったりしないとお金が貯まらないのよ!!まったく…お金持ちがうらやましいわ……」
幸風のグチに氷柱はしっかりと返答しながらも氷柱自身もグチを言う。
「お金ぐらい、チャラ男から巻き上げればいいだろうが。ほら、ちょうど雪子をナンパしているやつとか…」
幸風はそう言いながら雪子がいる方へ指をさす。
「そうね。そんなやつから巻き上げられれば楽勝…って」
それに氷柱も同調したが、途中で気づく。
「キミかわうぃ~ね~!!どう?これから僕とトゥギャザーしないか~い?」
「えと、えと…あうぅ…」
明らかにウザいチャラ男のからみに、雪子は助けを求めていた。
「これで48回目だぜ?まったくうぜぇ…」
しゃーねーなー。と幸風は雪子の方へ歩きだした。
「ユッキー!!売れた~?」
「あ…!!(パァアアアアア!!!!)」
雪子には、幸風の声がまるで天の助けのように聞こえ、困っていた顔から満面の笑みに変わった。
「お、売切れになってるな」
「う、うん!!けっこう頑張ったの!!」
雪子は、幸風に近づき、幸風の左腕に抱き着いた。
「ちょちょちょちょっとキウィ~!!せっかくこのボクが誘っているのに、横取りなんてずるうぃ~じゃないか~!!」
その様子を見ていたチャラ男は、怒りながら幸風に話しかけた。
「だいたい、キミはこの子のなんなんだね?」
「なんだこのチャラ男」
幸風はゴミを見るような目でチャラ男を見る。
「俺の彼女になんか用?」
幸風は少ない言葉で、しかし確実にチャラ男の心を砕く単語を使った。
「か、か、か、カノジョ~!?アリエヌァ~イ!?」
チャラ男はがくぜんとした。
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