崩壊

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「失礼します…」 カラカラ、と職員室のドアを遠慮がちに開いた。 私はまだ12才だった。 小学校を、いじめが原因で転校した。 といっても、クラスメイトからいじめられたわけではない。 私をいじめたのは 当時の担任の先生だった。 自慢ではないが、私の母はクラスメイトにすごく人気だった。 不登校の子を立ち直らせたり、恋愛相談に乗ったりとまるでスクールカウンセラーの様だった。 もちろん、そんな母を持つ私は、鼻高々だった。 それを不満に思った担任は、私を無視し始めた。 最初はテスト用紙が採点されずに返ってきたり、体育で私のタイムだけが計られない。そんな些細なことだった。 次第にエスカレートし、朝来ると机がなくなっていたり、私が掃除した場所にゴミをぶちまけたり… クラスメイトも必死に私を守ろうとした。 校長にも申告してくれた。 だが、校長は自分の学校で問題が起こることを嫌がり、もみ消した。 一時、教育委員会まで話は持ち上がったのだが…当時の教育委員長と、校長が親しかったので、これまた揉み消された。
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