崩壊

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ある日、私が病院から遅刻して登校すると… 机がなくなり、私のロッカーも綺麗に掃除されていた。 クラスメイトが、驚いた顔で私を見る。 「転校したって、言ってたよ」 限界だった。 母に話すと、さすがに怒ったのか… 職員室まで怒鳴り込みに行った。 ところが、職員室中の先生が母を羽交い締めにし、校長室へ閉じ込めた。 この話を友達から聞いた私は警察へ電話してから、学校へ向かった。 母の半袖から覗いた腕は、手形がはっきりと残る程にアザがつき、痛々しかった。 警察も、困惑した顔でずっと先生や生徒に話を聞いていた。 主張が180度違うのだから、当たり前だと思った。 結局、うやむやにされてしまい、私は転校したい、としきりに母にせがんだ。 友達は引き留めてくれたが、どうしてもあの担任から、あの校長から卒業証書を受けとりたくなかった。 そして、六年生の1月、私は県内の離れた学校へ、転校した。
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