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苦しい、助けて…
だれか。
ガラッ
「原田?」
返事も出来ずにうずくまり、口からは唾液が止まらなくなっていた。
こんな顔、見られたくないなあなんて思っていたら、アユムくんが、あわててビニール袋を私の口許にあてがった。
すう、はあ、とゆっくり呼吸をして、落ち着こうとする。
アユムくんは、ずっと背中をさすってくれていた。
「気持ち悪いの?吐きそう?」
ちょっと的外れだったが、袋をあてがってくれたのは助かった。
しばらくすると、だいぶ呼吸も楽になったが、頭にはモヤがかかったみたいにボーッとしていた。
「原田、大丈夫?保健室、行こう?」
アユムくんが、する、と私をおぶった。
六年生にしては、広い背中に、私は気を失うように寝入ってしまった。
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