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「斉藤は、忌引きで公欠だ。
ご両親を二人共亡くしたらしいから、登校した際はくれぐれも注意すること。いいな?」
担任から都倉の両親の訃報を聞いたとき、あまりにも突然すぎて、
夢かと思った。
「なぁ…、隆司。
俺をつねってくれないか?」
「は?…あぁー。」
行きなり変な事を言ったからか、
隣に座る隆司は、口をポカンと開けていた。
ややあって理解したのか、彼は容赦無く俺の頬をつねる。
「いっ、てぇー!!」
(ガタンッ)
予想以上に痛かったから、
椅子を倒すほど勢いよく立ち上がってしまった。
先生もクラスメイトも、唖然とした表情で見つめている。
「…すんません…。」
肩をすぼめて、席に付く。
隆司を恨めしく睨むと、
自己責任だろ?
と言いたげに肩を上げ、そっぽを向かれてしまった。
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