86人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
200××年 冬 ━
春になると、たくさんの桜の花を咲かせる桜並木
この道をいつも通学している
「今日は冷えるなぁ。平ちゃん遅いなぁ」
いつもなら一番のりで待っててくれてるのに
やすむのかなぁ
まだ時間もあるし、あのベンチで待ってよう!!
ちかくのベンチに座り、お気に入りの本を広げる
そうこうしているとウトウトしはじめ、寒い中寝てしまった
━━━━━━━━━━━━
これは夢?
綺麗な桜
はらはらと舞散る桜の花が雪のよう
「お前はすぐ泣くから置いて行けない気がするんだよ」
クスリッと笑っている
優しいふいんきな感じがする
何の夢だろう
とても懐かしい声
頬を伝う涙を拭う指先
暖かい
「お前は俺のものだろう?傍にいるのも俺の仕事だ」
優しくぶっきらぼうに私を包んでくれる言葉
貴方は誰なの?
会いたい
夢の彼に会いたい
「桜、俺はここにいる。桜……」
いや
消えないで
私を置いていかないで
もう独りぼっちは嫌だよ
最初のコメントを投稿しよう!