序章

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200××年 冬 ━ 春になると、たくさんの桜の花を咲かせる桜並木 この道をいつも通学している 「今日は冷えるなぁ。平ちゃん遅いなぁ」 いつもなら一番のりで待っててくれてるのに やすむのかなぁ まだ時間もあるし、あのベンチで待ってよう!! ちかくのベンチに座り、お気に入りの本を広げる そうこうしているとウトウトしはじめ、寒い中寝てしまった ━━━━━━━━━━━━ これは夢? 綺麗な桜 はらはらと舞散る桜の花が雪のよう 「お前はすぐ泣くから置いて行けない気がするんだよ」 クスリッと笑っている 優しいふいんきな感じがする 何の夢だろう とても懐かしい声 頬を伝う涙を拭う指先 暖かい 「お前は俺のものだろう?傍にいるのも俺の仕事だ」 優しくぶっきらぼうに私を包んでくれる言葉 貴方は誰なの? 会いたい 夢の彼に会いたい 「桜、俺はここにいる。桜……」 いや 消えないで 私を置いていかないで もう独りぼっちは嫌だよ
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