第3章 夕焼けの女神
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林が出て行った音楽室は、まるで蝉の抜け殻のように静かだ。 というより魂が抜けてしまったようだ。 彼女はいつも練習に来ていた。 少し間が抜けたところもあったが、いつも真剣に楽譜を見つめていた。 コンクールという目標を持って練習する彼女が、この音楽室に僅かながらに魂を宿していたというのに。
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