第3章 夕焼けの女神

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「…出場できるって、それどういうこと?」 「知らないの?」 そう言って彼女は続けた。 「夏のコンクールには2部門あって、私達が去年まで出場していたのはブラスバンドの部門なの。まぁ、こっちが殆どメインなんだけど。 そしてもうひとつがアンサンブルの部門。こっちは規模は小さいけど、ちゃんと全国大会まであるの。アンサンブルは伴奏を含めて3人から出場できるわ」 「…ていう事は…」 「そう。アンサンブル部門だと私達も出場が可能になるわけよ」 「マジで…?」 「マジよ」 「なんでそれ最初から言わないんだよ」 「平木君が知ってると思ったから」 「知らないよ…」 僅かながらに希望が見えて来た。 これなら部活を継続することができる。
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