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次の日の放課後、担任の鬼瓦に呼び出された。
「平木、部活についてなんだが…」
鬼瓦が部活の話しをはじめた。
ホームルームが終わり、職員室に呼び出された時から、すでにそんな気はしていた。
「今、部員は何人だ?」
「3人です」
「…3人か。3人で練習はできるのか?」
「えぇ、まぁ」
「…そうか。でもな、今顧問の山城先生があれだろ…」
名前の割には弱々しい喋り方だな、相変わらず。
「入院してるんですよね」
「…そうなんだよ。だから大丈夫かなって…」
何を言いたいのかよく分からないな、この人は。
* * *
山城先生は吹奏楽部の顧問をしている。
もう60歳をとっくに過ぎているのに、何故か高校に居座り続けている謎めいた人だ。
だけど今は病気で入院をしていて、ここ半年近く顔を見ていない。
そもそも部員が激減したのも、この先生が入院したからなのだ。
* * *
「山城先生がいなくてもちゃんと練習してますよ」
嘘をついた。
鬼瓦がまだ話しの本題を切り出していない気がしたからだ。
その前にこの話しを打ち切りたかった。
「じゃあ僕はもう練習に行くんで」
「いや、平木ちょっと待ってくれ」
…やっぱり。
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