2011年7月5日

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君の部屋に行かない朝は本当に久しぶりだった。 昨夜はたいして眠れず、少しフラフラとしながら出勤準備をする。 こんな状態だからこそ仕事に熱中したかった。 何かをして没頭してないと思い出してしまうから。 僕は会社に着くと仕事を始めた。 しばらくして僕は肩を叩かれた。 振り向くと上司が笑顔で立っている。 「ちょっと話があるから来てくれないか?」 そういって会議室まで連れてかれた。 会議室には部長が座っていた。 暫しの静寂のあと、部長が口を開く。 「君はこの会社に勤めて何年かな?」 『約3年ほどです。』 「そうか…今回君を呼び出したのはこの件について相談があってね。」 渡された資料には社員の間で話題になっていたアメリカで行う一大プロジェクトについて書かれている。 「実はね、このプロジェクトの主任を君に任せたいと考えている。」 部長と上司は笑顔で僕を見ていた。 『……つまり転勤ですか?』 僕の問いに部長は頷くと説明を始めた。 「うむ。君には主任として明後日からボストンにいってほしいと考えている。」
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