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その言葉を受け止めるのに僕は少し時間がかかってしまった。
頭の中では君と離れなくてはならないという現実が渦巻いている。
目の前の二人はそんな僕の様子に気づかず、にこやかに微笑むだけだった。
きっと二人の頭の中では僕が喜びのあまり硬直していると思っているにちがいない。
「まぁ急な話で申し訳ないと思っているが、君は帰るのが早いからね。
荷物は後日向こうに送ってもらえば構わないから。
必要最低限のものはすでに向こうに用意してある。」
そう言って部長は僕にボストン行きの飛行機のチケットを手渡した。
僕はなにも言えずに渡されたチケットを受け取る。
「それじゃ話はそれだけだ。向こうでも頼んだよ。」
そう言って二人は会議室から出ていってしまった。
独り残された僕は誰もいない部屋で肩を落とす。
こんなチャンスはなかなかないだろう。
いや、断ってしまったらもう二度とこないに違いない。
どう行動するのが正解なのだろうか?
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