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そのあと僕は上司に準備もあるだろうから、と帰ることが許可された。
周りの同僚からは羨望と嫉妬の目が向けられている。
それはそうだろう。
今回のプロジェクトが成功すれば出世コースは間違いないのだから。
僕は一言失礼します。とだけ残し会社を出た。
車に乗り込み、いつも持っている君と二人で撮った写真を取り出す。
写真の中で微笑んでいる君の姿を見て、僕は想いを巡らせる。
二人で色んなところに遊びに行った。
時には喧嘩もした。
想い出は数えきれない。
そんな君と離れるなんて
僕の身体のどこか一つがポッカリと穴が空いたような気がした。
そして僕は決心した。
今まで言えなかった、一つの想い。
それを今言わずしていつ言うのだろう?
僕は写真を大切にポケットにしまうと、車のエンジンをかけて目的の場所へと飛ばした。
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