3人が本棚に入れています
本棚に追加
そしてここからが本番だ。
君の髪を撫でるのを一旦止め、僕は手を開いたり閉じたりと挙動不審になる。
鞄から仕事帰りに用意したものを取り出し、呼吸を落ち着ける。
『…それでね、今日は大事な話があるんだ。』
静かな空間に僕が唾を飲み込む音が響く。
『君がこんなときに言うのは卑怯かもしれないけど、きっと君なら笑って許してくれるよね。』
そう言葉にすると少し冷静さを取り戻せた。
大丈夫。
君と僕なら。
君の細い指に指輪を僕ははめた。
そして一枚の紙を取り出す。
ずっと言いたかったこと。
けどもし拒絶されたら…と怖くて言えなかったこと。
今まで感じた全てを言葉にして君に贈るよ。
最初のコメントを投稿しよう!