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僕はそう言って君の手を握る。
点滴の針が刺さった君の細くて白い腕は今も昔も変わらず美しい。
『そういえば明日は七夕だよね。まだ短冊に願い事書いてないんだよな。
なんか願い事が多過ぎて書くのに迷うというかなんというか…』
そう言って僕は鞄からこないだもらった水色とピンクの短冊を取り出す。
『でもね、昨日決めたんだ。書くこと。』
僕はペンを取り出すとサラサラと水色の短冊に書きはじめる。
『僕の願い事はこれだよ。』
君に書き終わった僕の短冊を見せる。
あぁ多分見て笑ってるんだろうな。
もっとほかに書くことあるでしょ?
って。
でもこれが僕の願い事。
本当はもっと色々あったんだよ?
君が早く元気になりますようにとか。
けどそれは短冊に願うことじゃないと想ったんだ。
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