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『おい風邪引くぞ。』
そう言って僕は床に寝ている後輩に適当なブランケットをかける。
あれからしばらくして周りはみんな寝てしまった。
会社で酒呑んで寝てるなんて他の人が見たら何事かと想うだろう。
「君は相変わらず後輩想いだな。」
唯一起きてる上司が苦笑いしながらグラスを傾ける。
「今回のこと………悪かったな。」
ポツリと上司が下を向きながら呟いた。
『今回のこと?』
「彼女さん…大変なときに…な。」
いつもそうだ。
僕に良くしてくれる上司は気にかけてくれてる。
『彼女じゃないですよ。妻です。』
そう言って僕は指を上司に見せる。
「そうか…結婚したのか。」
彼は微笑みながら頭を掻く。
『大丈夫です。僕たちはどこにいても繋がってるんで。』
「そうか。それなら心配はいらないな。向こうでも頑張ってくれよ?」
そしてしばらく二人で笑いあった。
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