2011年7月7日

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『…ここは?』 次に気が付いたとき、僕は全く見知らぬ場所にいた。 辺りには波が静かな音を立てている。 「…久しぶり。」 懐かしい声が後ろから聞こえた。 僕はゆっくり振り返り、その姿を見て微笑む。 『久しぶり。』 僕の目の前には海を背景に君が笑いながら立っていた。 お互いに沈黙が流れる。 でも気まずくはない。 だって君が笑っているから。 僕は君の手を引き抱き寄せた。 何の抵抗もなく、君は僕の腕の中に収まり背中に手を回す。 『待ってたよ。今までずっと。』 君からの返事はない。 けどいつもとは違う。 君はここに存在している。 君の嗚咽を聞きながら、抱きしめた腕に力を込める。 それに合わせたように君も力を強めた。 お互いに自然と顔を向け合う。 君はあの時から変わらず微笑んでいた。 そっか。 今日は七夕か。 だから願い事が叶ったのかな? 365日に1度の奇跡が起きたのかな? 『…君を愛してる。』 「…私もあなたのことを愛してるよ。」 僕たちはそれだけ言って口唇を重ねた。
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