2011年7月4日

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荒い息を吐きながら、僕は暗くなった部屋で寝ている君の元へとフラフラと歩み寄った。 なんて言葉に出せば良いのかわからなかった。 ただ一つ言えることは涙を流して君の手を握っていたということだけだった。 電気も付けず、真っ暗な部屋の中で僕は君の手を握り続けることしか出来なかった。 まだ温かい。 君の手は温かいよ。 その温もりが失われる日がくるのだろうか? そんな日が来て、僕は耐えられるのだろうか? 気づけば時刻は12時を回っていた。 看護士さんも気を使ってくれたのか、退室させには来なかったようだ。 いくぶん冷静さを取り戻した僕は何も言わずに君の部屋を出た。 薄暗い廊下を歩いていると、巡回をしていた看護士さんと出くわした。 『すみません。面会時間を過ぎてしまって…』 看護士さんは黙ったまま首を横にふると巡回を続けていった。
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