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そう思っていると、
「なぁおい聞いてんの!?」
の声と機械的な音が同時に聞こえる。
「聞いてるって。一先ず落ち着け、ヤガミ」
アラームを止めながら言う。
聞いてなかったけどさ。
「……で、どう思う?」
どう思うも何も、運命感じたんなら告るしかないんじゃねーの。
そういつものように言おうとしたら、言葉が喉に引っ掛かった。
――運命。ふと脳裏を横切る彼女。
君ならどう反応するんだろうか。
きっと、ヤガミのくだらない話でも真っ直ぐな目をして聞くんだろう。一つずつ反芻しながら、
「私は……と思う」
と自分の思った通りに素直に。
俺はほんのちょっとだけ考えた。
「お前は、いつも俺に判断仰ぐけど、どうしたいの?」
「えっ……そりゃ、やっぱ彼女欲しいし、付き合いたいって思う……けどさ」
「けど?」
「キタサワみたいにそつなくこなせねーし、振られてばっかだし、自信がない」
なるほど。
「確かに振られてばっかだな。その理由って」
俺なのか?
テキトーに返事して、テキトーに慰めて……テキトーに友達で。
俺、最悪だな。
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