運命と言わずなんと言う

5/18
前へ
/35ページ
次へ
二回目に彼女と出会ったのは、自宅近くのコンビニでおにぎりの具を吟味していたとき。 俺は結構な優柔不断男なので、毎日そんな光景が見られるのだが、誰も、否、店員が訝しげな目を向けてくる以外は、気にも止めない。 はずが、その行為をしている俺は少なからず自分を不審人物としていたから、同じことを隣でしている女の子を、ちらちらと見てしまうのは道理というわけだ。 視線を感じたのか、その子はふと顔を上げた。 俺はすぐさまおにぎりに目を戻したが、遅かった。 「あの……」 と声をかけられる。 無視するわけにもいかないよな。 そちらを恐る恐る見ると、女の子が困ったように笑いかけてきていた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加