2章 落雷。

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「笹原先生~」 「あら中井先生。」 見るとあからさまにがっくり肩を落とした邦生ちゃんがいた。2月の廊下は寒い。 「知ってるわよ。春高、残念だったね。」 うちの高校は惜しくも決勝で敗れ、春の高校バレー代々木体育館への切符を手に入れることができなかった。 「まぁ決勝行ったって言ってもボロ負けだったからね。…笹原先生の学校は出場決めてたね。」 確かに。決勝は相手高にストレートであっさり負けてしまってた。ここ10年優勝している強豪校との力の差は歴然だった。 「まぁまぁ中井先生、頑張ったよ。いつもベスト4止まりだったうちが決勝まで行けたんだからさ。」 カフェテラスにある自販機のコーヒーをおごってあげる。 「笹原先生は応援行くよね?俺も部員たち連れて見に行こうっと。」
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