1章 教員生活。

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「おー!横浜で頑張っとるんやって?」 倉本先生はもとは広島の人らしく、今でも関西方面(私にはよくわからない)のイントネーションが時折混ざる。 「横浜っ子は都会っ子で大変です。」 私は冬休みで母校に遊びに来ている。倉本先生にエネルギーを貰うためと、講師をしてる同級生と会う為だ。 たまたま練習が始まる前でこうやって話をする時間ができた。 やっぱり倉本先生と話すと元気になる。 帰って仕事したくなるくらい(笑) 「笹原~!あっ倉本先生!」 「田中、笹原くらい落ち着けよ(笑)」 そう倉本先生が言ったのは田中誠(たなかまこと)だった。彼は同級生でクラスも一緒。選抜クラスだったから二年三年とメンバーはほぼ変わらず、共に切磋琢磨した仲間だ。田中くんはバレー部でインターハイにも出場した…補欠だったけど。 とにかく倉本先生を崇拝していて、ここで講師をしている。 そういえば教育実習中から倉本先生の研究ばっかりしてたな…。 「先生~笹原は教諭らしいですね~!俺来年受かるかなぁ…」 私にも地元での講師の話がなかった訳ではない。でも講師の要請があったのは3月末。すでに今の高校に採用が決まっていた。 「横浜ってオシャレやし~!ギャルいる?」 田中くんが妄想モードに突入しつつある…。 倉本先生はじゃ、と言って職員室から出て行った。 「ギャルも萌え系も沢山いるわよ。」 「笹原さん、詳しい話はお昼ご飯でも食べながら…」 「いやよー私マキと食べに来たんだもん」
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