警告に!科学世界の『能力者』

2/10
前へ
/26ページ
次へ
 朝、急ぎ足でボクと愛流ちゃんは教室に駆け込んだ  まだ時間に余裕があって、ひと安心  「セーフ。ふぅ、朝から疲れた…」  「遠回りを提案したのは、ひかるちゃんよ?あんまり時間ないのにさ」  「あは。たまには、いいじゃん?」  こんなごまかしも、直ぐに意味なくなるんだろうなぁ……  昨日のアレから嫌な予感はしてたけど、これほどとはね  「はよっすー。ラブっちゃん。わたぬきちん。朝から2人して、少しお疲れみたい……ハッ!」  そこに声を掛けてくれたのが、クラスメイトの 【伊藤 春人(イトウ ハルト)】くん  ハンサムで気さくで、いいヒトだけど、えろえろなのが、玉に傷。あと、面白い渾名を付けるのが好きらしい   「おはよう伊藤君。どうしたの?」  「まさか……昨日はお楽しみでしたね!?」  「通報しまぁす。委員長~。いとーくんが~」  「伊藤ォォ!アンタは朝からセクハラかぁぁぁ!!」  途端に、鬼の形相で委員長が走りよって来て怒鳴り声と共に、スパーン!とハリセンのいい音が響く  「ぐぶほっ!」  「出た!委員長の〝ハリセン居合い抜き〟!流石、“伊藤くん対策委員長”」  「私は“クラス委員長”ですっ」  伊藤くん対策委員長もあなかち間違ってないと思うけどな  彼女は【風見 佳奈美(カザミ カナミ)】ちゃん  クラス委員長と、伊藤くんのお守りを立派に勤め上げる。おさげが可愛い女の子  「おのれ“みみ”。不意打ちとは卑怯な」  「みみっていうな!伊藤は変な渾名付けるんじゃないの!」  スパンとまた一撃  「相変わらずだねー」  「あは。夫婦漫才ごちそうさまでした」  「ふ、夫婦じゃないわよ!!」  わぁ。耳まで真っ赤だぁ!これも渾名の由来の1つかも  「コホン。でもどうしたの2人とも汗かいて。あ、もしかして朝のに捕まった?」  「ああ、そういや今日はいたるところに演説家がいたからなー」  そう、昨日のおねーさんみたいな、熱心な宗教家さん達が、朝から街のあっちこっちで演説したり勧誘したり  「?そうなの?私達は見なかったよね。ひかるちゃん」  「あは~」  そりゃもー。昨日の事もあって、ひたすら逃げたからねぇ……愛流ちゃんに気付かれないように  「あー。なる、わたぬきちん乙」  「愛流はすぐ捕まって、全部相手にするだろうしね」  「え?なになに?どういう事?ひかるちゃん」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加