警告に!科学世界の『能力者』

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 「ひかるちゃん起きて」  「あと6分30秒……」  「細かく具体的!?って駄目だよ!これから“測定”なんだから」  「……ああ、今日だっけ?」  「忘れちゃ駄目だよ!月に2回の、大事な日なんだから」  だからかぁ。愛流ちゃんのテンションが高いのは  「気合い入ってるねぇ」  「もちろん!だめもとでも、今日こそ『能力』を発現してみせるんだから」  「……」  むん!と気合いを入れている愛流ちゃんを見てると、胸がチクリと痛む  学園のやり方じゃあ、どうやっても彼女の『能力』は発見出来ないのを、ボクは解ってるから。でも……  「ガンバレ愛流ちゃん。その意気だよ」  「うん!ありがとう」  ……本当。最低  「何やら、黄昏ておるな。わたぬきちん」  「……あは。まだちょっち眠いだ~け」  いとー君は結構鋭い所があるから、油断できないや  目立ち過ぎない、明るい無害な人物  それが一番トラブルが起きにくいキャラなんだから、崩す訳にはいかないのだ  「で、何でいとー君はカメラ片手なの?」  「バッカわたぬきちん。測定の為に着替える女子達を覗く為に決まってんじゃん!」  「ついでにボクの着替えを盗撮して、賭けに終止符を打とうと?」  ボクの“性別当てトトカルチョ”クラスの派閥は、丁度半々くらいだったかな?  「ザッツライト!」  「いとー君はどっちに賭けてるんだっけ?」  「わたぬきちんは、女の子だって信じてるぜ!」  良い笑顔でサムズアップする、いとー君。キミは今、輝いてる……時間稼ぎ完了  「そっかぁ。あ、頭上注意ね」  「えっ?」  ズバーーン!  委員長の神速のハリセンが一閃  うっわぁ……いとー君。机にめり込んでるけど、死んじゃってるんじゃ無かろうか  「伊藤ォォ。あんたはまたスケベな事企んで」  「伊藤。最っ低ー」  「私達のひかるクンを変な目で見るんじゃないわよ!」  「伊藤×四月一日……。はぁはぁ」  委員長を筆頭に、クラスの女子から制裁を受ける、いとー君。うんいつもの日常だ  1人、絶対に関わっちゃイケないトラブルの気配もある気がするけど……うん。スルーしとこうっと  「よし、みんな早く行こう。愛流ちゃん、おまた~せ」  既に“着替えを終えたボクは”愛流ちゃんの背中を押しながら、みんなを促す  「「「いつ着替えた!!?」」」  えへっ。内緒♪
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