警告いち!障らぬ神からトラブル来る?

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 「確かに、当たればスッゴく痛そうだけど」  当たらなければ、どうって事は無いってね  「オラァ!ワビれっす!ガキ」  「冒兎クン怒らせんじゃねーっしょ!コラァ!」  「ハッ!wwwお前ら。こんなガキに目くじら立ててんじゃ…」  「因みに、冒兎君はランクC?D?随分粋がってるみたいだけど?」  ボク達の『能力』は周囲に与える影響や、精度によって、大まかにランク付けされている。上からA~Dなんて具合に  つまりボクは今、自慢気に『能力』を見せびらかしてる冒兎君に向かってこう言ったんだ  ランクC、D位(雑魚)にしか見えない  ってね  「……ハハハw」  「あはっ」  「ハハハハ!www」  「あははっ」  共に笑い合うボクと冒兎君。おお、このまま分かり合えたり……  「死んだぞ。テメェ!!」  ですよねー  怒り心頭の冒兎君は、こっちを凄い形相で睨み付けてくる。そんなに怒っちゃ、いやん  計画通り、彼らの意識は完全にボクの方へ向いた。後はこのまま時間を稼いで、逃げるのみ  よし、完璧な作戦だ!  「くらえ、〝落下隕石(フォール オブ ホール)〟!!」  作戦の完璧さに、目をつむりしみじみと浸ってるボクに対して、物凄い勢いで迫り来る石の塊。  だけどボクは顔すら上げない。ううん、“その必要が無いのが分かってる”から  「……〝難事警告(トラブルアラート)〟」  呟いて首を傾ける。その最小の動きだけでかわすことができた  「残念。ハズレ」  「……まぐれは、そう長くは続かねーぞ」  そんな事を言いつつ、少し焦った声を出した彼は、薄々気づいているかもしれないなぁ  ズガッ!ガン!ドガガッ!   「おとと、ほっ。よっ。ねぇ、そんなに『能力』連発して疲れるでしょ?もう止めない?」  「うるせ!ちょこまかしやがって!」  心配したげたのになぁ  『能力』は神経使うから疲れるんだよね  そんな心配を余所に力を振るう冒兎君。立て続けに放たれる『能力』をボクは避けて、避けて、避ける!  「ちょいやさ!!」  何時の間にか死角に回り込んでいた付き人Aが、奇妙な声と共に飛びかかって来た。けどこれも、ひらりと避ける  「後ろから抱きつこうなんて、えっちぃ」  「……テメェやっぱり『能力者』か!」  「ボクの『能力』は〝難事警告(トラブルアラート)〟自身に降りかかるトラブルを事前に知らせてくれるんだ」
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