17人が本棚に入れています
本棚に追加
「へっへっ。もういいようにはさせねーぞ」
「完全に、三流悪役だよね」
やってる事も、言ってる事も
「ひかるちゃん!行って!私なら大丈夫だから」
「うん。愛流ちゃんさ、それ根拠無いよね」
にしても困った。ちょっとヤバい状況だし、どうしよう
『こらー!!!アナタ達!!その娘から手を放しなさい!!!』
突然スピーカーの金切り声と共に、恫喝の声が飛び込んでくる
「ああ!?今度はなんだ」
おお!やっと救いの手が……って
『そのような狼藉、神がお許しになる筈がありません!さあ、悔い改めるのです!』
振り向いた先にいたのは、宗教家の少女。余程急いで来たのか、汗だくで
「なぁんで、戻って来ちゃうかなぁ……」
ボクらの、特に愛流ちゃんの頑張りが水の泡だよ……
『警告はこれで最後ですよ』
「うるせー!文句があるなら腕ずくで止めてみな」
「ま~た、冒斗クンにイジメられたいっスか!?すっこんでろっス!」
『……そうですか、残念です』
そう言って彼女はマイクを置き、左腕に手を伸ばす……ってアレは
「“能力制御装置”!?」
「〝見えざる祈り(インビジブル プリエール)〟!!」
瞬間。彼女から全方位に絶え間なく凄まじい衝撃波が放たれる。事前に伏せてたボクは、吹き飛ばされないように必死に耐える
油断した!彼女、念動力(サイコキネシス)系の『能力者』だったの!?
能力制御装置なんて付けてたせいで見逃しちゃってた。ランクA並の『能力』だよ!っと、居た!
「愛流ちゃん!手を伸ばしてぇ!」
衝撃で冒斗君から解放されたのか愛流ちゃんは、うずくまって壁にしがみついていた
ボクも手を一杯に伸ばして少しでも距離を稼ぐ
指先が2、3度当たる
「もう、すこしぃぃ……」
「ひかる…ちゃん…」
「うにょわああ!」
気合いと共に身を乗り出し、愛流ちゃんを引き寄せて、これ以上吹き飛ばされないように身を重ね合わせて伏せる
「てゆーか、もう良いから!冒斗君達、もう気を失ったみたいだから、『能力』止めて!」
目視は出来ないけど、もう彼等から“危険”は感知されてない。気を失ってるんだろう
早く止めてくれないとボクらも壁にめり込む事になる
「ご、ごめんなさいぃ!私、自分じゃ止められないの!」
「えええ!?」
一難去ってまた一難!?勘弁して!
最初のコメントを投稿しよう!