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「誰か、止めてぇぇ!」
「ちょっ!お嬢さん!自分の『能力』でしょう!?」
「自分じゃ制御出来ないから、制御装置を着けてるのよ。それと私は19よ!お嬢さんなんて言われる程子供じゃないわ!」
思ったより年上だった。……じゃなくて
「そうだ!それですよぅ!制御装置。また作動させれば良いんですよぉ」
「外した瞬間、どっか飛んでっちゃった。てへっ」
てへっ☆じゃないよ!
近年、色々と問題になってる『能力』の暴走事件は各国各地で後を絶たない、『能力』は様々な種類がありそして“暴走”であるが故に、完全に制御するのなんてのは難しい
日本は《政府》の“異常な程”迅速な対応のおかげで、国際問題になるような大した事件は少ない
そのせいで“《政府》は未来を知る『能力者』を秘密裏に保有している”
なんて、都市伝説もある
閑話休題
まぁ、つまり普通『能力者』の暴走に完璧に対応するなんて出来ないって事
普通なら
だけど……此処には愛流ちゃんがいる。彼女の力は、暴走だろうが関係ない
使うべきだろうか、でも……
迷ってしまう。愛流ちゃんの力は他の類を見ないモノだから。騒動に巻き込まれないように、極力使って欲しくない
「きゃあああ」
「くぅ……」
迷ってる場合じゃないかな。おねーさんも限界に近い
ピーーーーーー!!
そんな事も考えた時、新たな警報が脳裏に響く
もぅ!今度は何!?
「〝栄光を掴む者(グロウリィ ハンズ)〟」
落ち着き、深みのある老人の声が届く。同時におねーさんの吹き荒れていた『能力』が治まっていく
「落ち着きたまえ、香織君。大丈夫。」
「……あ」
路地の入り口に、白髪混じりでやや恰幅のいい、優しそうな、綺麗な笑みを浮かべたお爺ちゃんが立っていた
お爺ちゃんって言っても、弱々しい印象はなくて、豪華な服と相まってすごく力強く見える
「私のいない所で力を使ってはいけないよ。キミ達、安心したまえ、もう大丈夫」
彼の言葉を尻目に、目を回している愛流ちゃんを介抱する
「大丈夫?愛流ちゃん」
「うー。何が何やらだよぉ」
愛流ちゃんからしたら人助けして、捕まって、逃がした本人が現れて、吹き飛ばされそうになって……波瀾万丈だね!
「す、すみません……〝司祭様〟」
……こりゃえらい人物が出てきたようで
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